翻訳支援ツール Tradosの説明

近年では多くの翻訳者がTrados(トラドス)という翻訳支援ソフトを使用して翻訳しています。これがどのような仕組みか簡単に解説します。

例えば、翻訳文中に

There is a dog in my room.

There is a cat in my room.

という2文が含まれていたとします。

(1)Tradosが立ち上がった状態(翻訳前)

(2)一番最初に翻訳を入れます。これで英文:訳文ペアのデーターベースが自動で作成されます。

(3)以降、同一文章または類似する文章が出現したときは、このDBが自動で参照され、既存訳を利用できます。

どうしてこれを紹介したかというと、実際に某翻訳会社案件で次のような例がありました。

数百ページのカタログ案件で、一年ごとの更新です。

同一の英文に対して、

for more infomation, see
複数の訳文
○○については以下を参照下さい。
○○については以下を参照ください。
○○については以下を参照してください。
○○については次を参照下さい。
○○については次を参照ください。
○○については次を参照してください。
で揺れていました。

これをすべて手作業で統一する必要がありました。
 

  1. 初めからTradosを使えばこのような作業はそもそも必要はありません。
  2. 悪質なのは、Tradosが使えることを知っていて、あえて使わなかったことです。これにより作業量が増えて、見積額は非常に高くなります。
  3. カタログは一年ごとに更新なので、本来であれば、去年の旧版を先にDB化し、更新された部分だけ(10%程度)の費用でカタログが更新できたはずです。去年翻訳されている部分は翻訳の必要がありません。しかし、毎年すべての翻訳をやり直していました。
  4. 翻訳会社はtradosを使ったソリューションをあえて提案せず、翻訳料金を大きく上乗せすることができたのです。(およそ10倍)
クライアントが翻訳のことをよく知らないからと、大きくボッタくる会社が未だに存在しています。特に繰り返しの多い文章(カタログ、レシピ、説明書)などにはTradosは非常に有効です。(逆に文学作品などには無力です。)翻訳についてご質問があれば、お問い合わせ下さい。

※ちなみに、TradosはSDL社に買収され、Trados2007のアドイン形式から、Trados2009以降のEditor形式に大きく形式を変えました。
御存知の通りTrados社が開発したTrados2007が最も完成度が高く、今でも一番使われているとは思いますが、SDL社の収益のため、
Traodos2007はWindows7以降では動かず、またTraodos2009→2011→2013→2014→2015と毎年無意味なアップデートが繰り返されて、うんざりです。

fuzzyマッチの問題。5単語の内2単語が違う→これまでは60%なのに、新しいバージョンのTradosに変わってからマッチレートが上がっています。どういう計算してるんですかねぇ?



これで99%マッチじゃ、翻訳者やってられんですよw